塩と泥と眼鏡

浅く広いぬるいヲタクの備忘ログ

博物館は楽しいの宝庫 #おたく楽しい

 この記事はしきさん(@shikishaa)主催のAdvent Calendar 2015 #おたく楽しい への寄稿記事です。

www.adventar.org

 

 みなさん、最後に博物館*1を訪れたのはいつですか? ついこの間旅行先でですか? なんとも無しにふらりとですか? 修学旅行でですか? それとも小学校の総合的な学習の時間以来ですか?

 大人になると意識して行かなくなる博物館。でもその魅力は子供だけのものではありません。そんな博物館の魅力を、気づいたら学芸員課程を履修してしまっている大学生が僭越ながらもなんとなーくお伝えできたらな、と思います。*2
 
 さて、12月14日突発的にTwitter上でアンケートをとりました。一年以内に博物館に行ったか否かのアンケートです。結果はこんな感じ。

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 学生さんなら一年以内に行ってるかなあ、と思っていましたが割とそうでもないんだなあ、とすこし驚きが混じっています。

 博物館って足を運びにくいなあ、と思っている人って結構多いんじゃないでしょうか。確かに博物館というと静かでお勉強しに行く場所だというイメージが強いですよね。しかし、昨今の歴女や刀剣ブームなどで目を向けられたとき、博物館は勉強しに行く場所ではなく萌えを感じに行く場所になっていますよね。博物館に行く目的が違えばそのイメージはがらりと変わります。そうです、博物館は学べて楽しい、面白い場所なのです。*3

 

 「学べて楽しい、面白い場所」とさっき書きましたが、何が楽しいのか、個人的に思っていることを書いていきます。*4

 

 その1 企画展が楽しい

 企画展とはなんぞや、って方のためになんとなく説明します。企画展というのは期間を定めて、その期間だけ特別にその展示をするものです。例えば小樽市総合博物館本館では12月19日(土)より『雪の研究者・中谷宇吉郎』というテーマの展示を4月10日(日)まで行います。このような期間限定の展示をだいたいは企画展(特別展)と呼びます。

 企画展は大規模な何館もの博物館を回るような企業が噛んでいるものもあれば、学芸員が企画を出し内容を考えて作るものまで様々です。超ドル箱で大反響を呼んだもの以外は一度その企画展が終わったらその博物館で全く同じテーマの展示は見れない可能性の方が高いです。「あ、これ面白そう」と思っても逃せば次同じようなものを見れるのはいつになるか分かりません。同じテーマを取り上げたとしても展示内容が変わったりします。例えるならジャニーズの舞台が再演と言っても内容がかなり違ったりするのと同じです。企画展示との出会いは一期一会なのです。

 

 その2 常設展示が楽しい

 企画展と来たら次は常設展示です。常設というとなんだかずーっとおんなじ展示をしてそうなイメージを持たれるでしょう。そんなことは無いんです。地味に内容が変わっていくところもあればある程度の周期で展示内容を入れ替える博物館もあります。夏松竹だって何年もすこーし内容の違う舞台を再演したり、まったく別の舞台をしたりしてますよね。例えるなら大体そんな感じです。(ちょっと違うかもしれない)

 近所の博物館でしたら昔見た、なんてことは多いと思いますが、子どもの頃に見た展示と大人になってみる展示は中身が変わってなくても結構違って見えたりしますよ。

 何回も繰り返し見ることによって新たな発見があったりするんですよ。こういうとことっていうのは。言ってみれば多ステみたいなもんですよね。何度も同じ博物館に足しげく通っちゃうのは。

 

 その3 ハンズオン展示が楽しい

 ハンズオン、実際に触ってみよう的な展示です。大の大人が恥ずかしいなんて思うかもしれませんがこれ結構大人のお客様も楽しんでいってるのを実習中何度か目にしました。別に何も書いていなければ大人も子供も関係ないのです。せっかく触ることができるんですから周りの迷惑にならない程度に触っちゃいましょうよ。

 例えば新札幌にある札幌青少年科学館はハンズオン展示が充実しています。うっかり平日の昼間に遊びに行ったら子供たちに紛れていろいろ遊んでみるのもいいかもしれません。そうです、トロッコで目の前をアイドルが通ったからハイタッチしようと手を出すよりかはずっと自意識との勝負をしなくていいと思います。

 

 その4 観光地で楽しい

 初めての土地で観光しようにも何をしていいかわからないときありますよね。その時はその土地の博物館を訪れてみるのもいいかもしれません。その土地を知る、ではありませんが知識があると無いとでは見える景色も変わっていきます。個人的には観光の初めに行くのが好きです。予習の成果が見えて楽しい。そう考えるとコンサートみたいなもんですよね。最初は予習はするけどセトリは見ないで行くみたいな(?)。博物館はその地域の情報の宝庫です。学芸員に話を聞いたら何か面白い情報がゲットできるかも。科学館や美術館などでもその地域についての展示があったりしますよ。

 

 その5 雰囲気が楽しい

 これは私を博物館好きに仕立て上げた母の持論です。「博物館は別に勉強も何もしてるつもりはないし、何見たのかもぼんやりとしか覚えていないことの方が多いけど、なんかさ、このしーんとしていて、でもいろいろなものに囲まれているその空間がいいんだよねえ」(ニュアンス)

 そうなんです。こんなぼんやりとした理由で博物館が大好きなひともいるんです。この世には。敷居が高くなんてないんですよ。行きたくなったら行く。博物館ほどお一人様で行っても淋しくないエンタメ施設は無いんじゃないでしょうか。*5

 

 簡単に5つ、博物館の楽しさを紹介させていただきました。この記事を読んで「ああ、今度ちょっと近所の博物館にでも行ってみよっかな」なんて思ってくだされば幸いです。博物館は誰も拒みません。

 最後に少しだけ現実的な話をします。公立でも私立でも博物館は基本的に財政難です。お金が足りないんです。あ、この博物館いいとこだな、と思ったら時々でいいので遊びに来て入館料を落としていってください。それがその博物館の運営に役立つのです。よく歴史系のブームが訪れると××な人は博物館に来るななどと学級会を引き起こす人がいますが、気にせずどしどし来てください。一般的な常識さえ守ってくださればこちらはもう大歓迎です。ついでにミュージアムショップとかカフェでお買い物とかお茶でもしていってくださいね。それがあなたの好きな展示物を守ることに間接的につながるかもしれません。

 

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地元科学館のお気に入りショットを一枚だけ載せてこの記事を締めくくります。*6

 

 

*1:今回の記事の博物館には美術館や科学館、資料館、文学館も指します

*2:最初エジプト楽しいという記事を書こうとしていましたがなんだか内容が膨らみすぎてまとまりそうにないので今回は見送ります。完成次第この記事にもリンクを張ります。

*3:だからと言って萌え散らかして大声で騒がれるのは学芸員の業務に支障をきたしたり、他のお客様の迷惑になりますのでおしゃべりする際は小声か、展示室をいったん出て、休憩室などでお願いいたします。

*4:この面白いはfanでありinterestingです。

*5:動物園とか水族館、大型野外博物館は除く(個人の見解です)

*6:写真撮影を禁じている博物館もあります。不安な時は学芸員や解説員にご確認ください。