塩と泥と眼鏡

浅く広いぬるいヲタクの備忘ログ

君の歌は希望で、君の声は光だ。 ーー畠中祐くんのアーティストデビューに寄せて

 7月12日、声優界の自担たる畠中祐くんが最高のデビューシングル『STAND UP』を提げてアーティストデビューをした。そのことに寄せてぼんやりと思ったことを書こうと思う。とりあえずMVを貼っておく。


畠中 祐 / STAND UP -Music Clip Short ver.-

 

 彼を知ってからというもの、この歌唱力なんだから、いつかアーティストデビューしてくれないかな、と事あるごとに呟いたり、ブログに書いたりしていた。でも、事務所所属歴や年齢を考えるとまだまだ先なんだろうな、と思っていた。その矢先のことだ。

 KENPROCKFestival2017で、彼のアーティストデビューが発表されたのだ。えー、何歌うんだろ、夢キャスかなあ、歌う曲無いよね〜、なんて笑っていた前日までの私を殴りに行こうかと思った。お前、笑ってらんねえぞ、畠中祐、CDデビューするぞ、と殴り込みたかった。あの日、アーティストデビューの一報を最初に見たのはジャニヲタ活動用のアカウントであった。片道フォローの方がRTされていたその記事を見たのだ。自分でもその一報を二次声優アカではないところで見たと思うといまでも不思議な気持ちでいっぱいだ。とにかくその記事を読んでこれはとてつもないことがはじまる、と息を飲んだ。持ちうるすべてのアカウントで「声優界の自担がアーティストデビューします! よろしくお願いします!」と叫ぶようにツイートしたのがつい数日前のような気がしてくるが、もう4ヶ月も経つのだ。

 4ヶ月もどうやって待ったのだろう。その間に彼はBLCDデビューしたり、ユニットデビューしたり、アーティストデビューより先に本人名義の曲が発売されたりしたのは記憶に新しい。4ヶ月連続で畠中くん絡みのCDが出続けて、更にジャニーズの方の自軍もシングルを出したもんだから*1この4ヶ月なんかむっちゃCD買った気がする。

 

 音源が解禁されてからというもの、ラジオや、アニメイトチャンネルで限定配信されていたKENPROCKでのパフォーマンス、YouTubeで公開中のショートMVなどで表題曲である「STAND UP」は何度も聞いていた。それでも、初めてこのCDをフルで聞いた時の衝撃はとてつもないものであった。

 あれが本当に若手声優のアーティストデビュー作なのか、実はもう4、5作ぐらい出してるんじゃないの? とかとにかく衝撃が体中を駆け回った。どうにか絞り出した感想は、ヤバい。その一言だった。語彙力はひとまず死んだ。

 c/w「エール ~旅立ちの歌~」は、特にすごかった。とにかく歌唱力で殴るスタイル。月曜更新の畠中祐の今、向かってます!!! 第40回で涙腺にくるエピソードと1番だけ聞いて多少の覚悟は決めていたはずなのに思わず鳥肌がたった。いやそれもう声優のアーティストデビュー作とか信じないわ、本職歌手のそれやん……と大サビで思わずノートパソコンをぶん投げそうになった。なんやねんあの歌唱力……。エールはジャニヲタ的に自軍ではないけれど好きなグループがよくお世話になっている編曲家さんが編曲してくださっているのだけれど、なんかコンサートのラストで歌ってそう……って思った。歌の後、インストが流れ続けてそこで最後の挨拶をするような感じ。ライブっていうよりコンサートのラストを飾るにふさわしいと思う。(ジャニヲタ脳) 身もふたもないことを言うと某4人組ユニットの曲みたいだよねこれ。(多方面から刺されろ)

エール ~旅立ちの歌~

エール ~旅立ちの歌~

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250

 

 他の2曲、まずは表題の「STAND UP」こちらもまためちゃくちゃ素晴らしい曲だ。彼の好きが詰まっていて、イントロのワクワク感、そして疾走感があり、キャッチーでダンサブル、そして"はじまり"を思い起こさせる爽やかさを持ちつつも、間奏で突然深みのある弦セクションが出てきたと思ったら、ラスサビ前一瞬音が消えて、アイドルさながらセリフを囁いてみたりと構成がおもしろい。デビュー曲として相応しい祐くんのこれからの名刺がわりになる曲だろう。

STAND UP

STAND UP

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250

 

 更にもう一曲のc/w「Starter」も主役級の楽曲で、ああ、これをカップリングに持ってきてしまうか、と驚いた。チョエクとかめきゅめきゅ、キャンストをカップリングにしてしまう自軍を思い出して、ハタナカ、お前もか……となってしまったのは内緒だ。"夏の星空"というテーマ通りにコズミックかつコーラス多用の壮大な、でも爽やかなサウンド、なのにダブステップ思わせる間奏などなど、様々な要素が詰め込まれていて6分という曲の長さを感じさせない。というか再生後6分あることに気付いてびっくりした。

Starter

Starter

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250

  インタビューでどの曲も表題を飾れる主役級の楽曲だと祐くんは言っていたがまさにその通りだなあと思った。ファーストシングルで三曲ともこのクォリティならば、気が早いかもしれないがセカンドシングルにも多大な期待がかかるだろう。制作側もプレッシャーすごそう。

 でも、セカンドシングルも、きっといつか出るであろうアルバムも楽しみで仕方ない。ゆくゆくはタイアップを取ってほしいし、単独ライブだってやってほしい。いつかはあの大舞台へ……と彼の行く先をどこまでも期待してしまうのだ。彼の魅力に憑りつかれているからだろうか。でも、あの作品を最初に出してきたのだから期待しても許されたい。

 

 祐くんの歌声の何がすごいか。偉そうなことを言うが、あの真っ直ぐで伸びやかな歌声だけではなく、さらに技術が乗っかって恐ろしい相乗効果を生み出していて、この歌声を完成形としてもいいぐらいなのに、まだまだ伸び代が見えるところだろうか。あと音域がめちゃくちゃ広いしファルセットが半端ない。STAND UPのコーラスがおそらく全部祐くんなことにびっくりした。さすが遺伝子レベルで歌がうまいだけあるよなあと思った。

 実は私、祐くんの役と本人の歌い分けがよくわかってなかった、というかそんなに違わないだろうと思っていたんだけど、今回『STAND UP』収録曲を全曲聞いてから同日発売の『夢色キャスト Vocal Collection 3 ~A Chance to Make Progress~』に収録されている「ファイナルアプローチ」「HOT CHORD CRISIS」を流れで聞いて、歌い方が全然違うことに気付いた。なんじゃこりゃ……すげえな声優って……と思った。

ファイナルアプローチ

ファイナルアプローチ

  • 城ヶ崎昴 (CV.畠中 祐) & 新堂カイト (CV.林 勇)
  • アニメ
  • ¥250
HOT CHORD CRISIS

HOT CHORD CRISIS

 

 そんなすごい才能なのに彼の歌唱力はまだ世の中に見つかっていなかったのだ。発売後にすっごい歌上手いね、という感想が散見された。

 なんと怖いことだろうか。もしかしたら魑魅魍魎跋扈する声優界、彼のような逸材が見つからずにゴロゴロ転がっているのかもしれないと思うと本当に恐ろしい。

 私は、変なタイミングだったけど、あなたを知ることができて本当に幸せ者だ。

 

 正直、あの歌唱力にバッキバキのダンスが付いてくるのだから、きっと怖いもの無しだなあ、と思う。私はいかんせん声優を好きになってから日が浅い。そのため、比較対象がジャニーズになってしまうのだが、多分畠中くんの歌唱力と表現力はあのエンターテインメント集団でも通用するレベルなんじゃないかなと考えてしまう。

 MVを初めてみた時、えっ、なんかもうほぼジャニーズみたいな感じじゃん……って思ったのだ。10年事務所沼にズッブズブのはずの私にはそう見えた。爽やかさとかっこよさが両立されたMVはリップシンク、バスケシーン、そして3パターンの撮影場所があるダンス……と内容もてんこ盛りだ。母親にはK-POPアイドルみたいだね、とぼんやりとした感想を告げられたらしい。本人はSHINeeを意識したと某回の今向かで言っていた。確かにK-POPアイドル感も凄い。

 でも、大サビ前無音からのイッッタァイム……(囁き)はジャニーズお得意のセリフ芸じゃないの、と思えてしまって困る。ア~イラ~ビュ~♡(パリンッ)とかセクシ-ロ-ズ……(ウィスパ-)とかあの辺りに通ずるよね? とよくわからない方向を思いながら見ていた。

 

 1時間越えの特典映像、レコーディングからデビュー発表、打ち合わせ、MV撮影までの軌跡を辿る、Road to "STAND UP"を見ながら、ああもうこれ見たら泣いちゃうやつだ……うわああああん、とリモコンを投げつけそうになった。レコーディング後、ラフミックスの音源を聴きながら目頭を押さえる祐くんについうるっと来た。ダンスレッスン、気合い入れすぎて袖も裾も捲り上げて靴まで脱いで靴下で踊ってる祐くんとか、それ以外にもお茶目だったり、爽やかだったり、うっかりさんだったり、いい人だったり、七色にくるくる変わる祐くんの表情を見ることが出来て嬉しかった。そしてケンプロック前の円陣……激アツ激エモでたまらない。これ初回盤の特典で、1800円(税抜)で買えちゃっていいのかなって思った。実質無料って感じだ。ちょっと福利厚生しっかりしすぎじゃないですかね。ただ一つワガママを言えばあのDVDの内容をBlu-rayで見たいってことぐらいだろうか。大満足、お腹いっぱいだ、と思っていたのにおれサマー限定でもう一枚DVDが付くらしいと聞いてまだ回してたの!? と驚きが隠せないぞ。


畠中 祐 / Road to “STAND UP” ダイジェストVer.(デビューシングル「STAND UP」メイキング映像)

 

 このCDと初回盤のDVDにはありったけの希望と目が眩みそうなほどのまぶしさが詰まっている。君の歌は希望で、君の声は光だ。君から明日への勇気をたくさんもらった。

 このファーストシングルを通して何百回も君のことをさらに好きになった。

 圧倒的な歌声や、素敵なダンスパフォーマンスだけじゃない。声優なのに普段喋ってるとよく噛んだり、焦っていると舌っ足らずだったりするところも、レコーディングと聞かされずにスタジオ入りして狼狽えながらも歌い上げてしまうところも、ラフミックスを聞いて感極まって泣きそうになったところも、すごく低姿勢なところも、ケータイをぶっ壊して遅刻して正座で言い訳するところも、気合いを入れるとき靴も脱いでしまうところも、緊張で落ち着かないところも、朝5時の新宿に興奮するところも、全部全部愛おしいと思った。

 いろいろ書いたけど、言いたいことはただ一つである。

 君のことが大好きだから、これからも、真っ直ぐ素敵にたーすくすく成長中! な祐くんを見守っていきたい。4600字以上もぐだぐだ語ったが、結局はそういう話である。

 

*1:WESTの7thシングル、おーさか☆愛・Eye・哀/Ya! Hot! Hot!もよろしくお願いします