塩と泥と眼鏡

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夏の終わりに想うこと――『真夏BEAT』に寄せて

8月22日、声優界の自担たる畠中祐くんの2ndシングル『真夏BEAT』が発売された。昨年の1stシングル『STAND UP』の時も似たような記事を書いたが*1、このシングルとそれに付随するいろいろなことに関して感想を含むぼんやりと思ったことを書いていこうと思う。

3月のイベントにて夏頃リリースの速報が出てから早5か月。正直1stシングル聞いた時から2ndシングルを待っていた。だって1stであのクオリティ出されたら期待もしてしまう。でも、ファンが各々抱いていたであろうその期待が彼を追い詰めていたのは発売週のラジオで知った。その8月21日放送のラジオで語られた彼自身が思う、畠中祐の歌う意味の話は胸にこみ上げるものがあった。

まあ、そういう難しい話は一旦置いて、平成最後の夏の終わりにリリースされた最強のエモチャラパリピなアッパーサマーチューン『真夏BEAT』のティザームービーを見てほしい。


畠中 祐 / 2ndシングル 真夏BEAT TEASER MOVIE

 

『STAND UP』はキャッチーで爽やかな、そして彼のアンセムとなるべき楽曲であったと思う。彼の“好き”と真っ直ぐな想いがたくさん詰まった最高のデビュー曲だった。だからこそ2ndが楽しみで仕方なかった。

そんな『真夏BEAT』の音源が初解禁されたのは5月29日のユニジェネだった。なんなら音源だけじゃなくタイトルとか発売日とかそういう諸々の情報も全部この日に解禁された。タイトルと音源が同時に解禁ぐらいならまあよくある気もするんだけど、真夏BEATは楽曲のミックス作業が終わったのが29日の24時半頃で、楽曲が流れたのは25時半前って、ちょっと出来立てほやほやすぎて意味が分からない。

完成して1時間で解禁するか? 生き急ぎすぎじゃね? って具合に早すぎてちょっとビビった。でも、完成してすぐにラジオで解禁しちゃう心意気にキュンキュンしたのを覚えている。イントロからもうド直球に好みのEDMでタイムフリーで延々と聞いていた。まあ、そのあとで古墳に興奮してて温度差がすごかった。祐くんは埼玉古墳群が好きなんだって……。

 

『真夏BEAT』は収録楽曲の3曲に、畠中祐と過ごす夏の1日、という大きなテーマが設けられている。表題の真夏BEATが朝~昼、c/w1曲目Summer Breezeが夕方、c/w2曲目CRUISINGが夜とトラック順に時間が経過していく。だからこそこのシングルは単曲購入よりも3曲まとめて購入して聞いてほしいのだ。とりあえず表題だけ買おうって気持ちもわかる。でもカップリングの2曲も主役級の、トリプルA面と言っても過言ではないぐらい力の入った濃密なシングルなので、是非、CDで買ってみたり、シングル全曲まとめてダウンロード購入してほしい。

 

表題曲『真夏BEAT』はチャラいイメージのない祐くんにチャラいイメージのないfhánaの佐藤純一さんがチャラい楽曲を提供したっていう文字にしてみるとどうしてそうなったんだ……? って感じの経緯もある楽曲である。先日の祐くんのバースデーLINELIVEで佐藤さんもなんで自分にこのオファーが来たのかわからない、みたいなことを言っていたのは記憶に新しい。

MVはさらにパリピ感が凄い。ついでだからMVも見ていってほしい。


畠中 祐 / 真夏BEAT -Music Clip Short ver.-

前作『STAND UP』とMV監督が同じ福居英晃さんなのだが、この方Hey! Say! JUMPの『ウィークエンダー』とか嵐の『One Love』、KAT-TUNの『不滅のスクラム』などのMVを監督されてる方で、正直ジャニオタもやってる身としてはもう最高のMV来たなって思った。突然差し込まれたプールのシーンはちょっと受け身が取れなくてスマホ投げ捨てたけど。フルだとプールシーンで投げキッスが飛んでくるよ。

メイキングもプールで髪が濡れない程度に泳いだり、ダンサーさんとわちゃわちゃしていたりしてめちゃくちゃカワイイので初回限定版おすすめです。

真夏BEAT (初回限定盤)

真夏BEAT (初回限定盤)

 

祐くんとEDMといえば初のソロキャラソンがEDM系で、かつプロデューサーが一緒だからそろそろEDMさせたかったのかな……とかちょっと思ったりした。EDM大好きだから本当にこういう曲は単純に聞いていてアガる。めっちゃ縦ノリしたい。佐藤さんがオファーではEXILEみたいなゴリゴリのをって言われたけど、個人的に好きな三浦大知さん的な要素を加えたりした、と仰っていてなんかもう信頼しかなかった。

編曲のA-beeさんは嵐の『三日月』や『Hope in the darkness』などの編曲をされている方で*2、クレジット見たときにあーそれは好きだわ……ってなった。

それと、2番の歌詞で「真夏の空を割って 雲間に消えた通り雨」って一節があるんだけど、これがすごく美しい言葉だなあと何度も反芻している。『STAND UP』の時も思ったけど作詞の松藤量平さんの言葉選びがたまらなく好きだったりする。あとラスサビのこの詞の前後の音がどうなってんのか耳では理解してるんだけど絶対元の音に引っ張られて実際にカラオケで歌える気がしない。でもあそこの音の動きが本当に好き。

この曲を聴いていると真夏のカラッとした陽気の中でオープンカーに乗って青い海と白い砂浜が見える海沿いの道を走る情景が目に浮かぶ。あー! そんな感じの海行きてー!

真夏BEAT

真夏BEAT

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

c/w1曲目『Summer Breeze』は洋楽っぽいR&B系統の楽曲という雑誌での前情報でわくわくしていて、解禁された音源を聞いたらこれはまさかトロピカルハウス……!? ともうフルへの期待値がうなぎ上り。ランティスめっちゃ信頼した。フルで聞いて、ちょっぴり切ない気持ちになったのはこれが夏の終わりの夕暮れ、っていう切ない時間を切り取った歌だからなのかなとか考えた。

歌い方が全体的に好きなんだけど、1番の「踊りたりないよ 月明かりは like a mirror ball」やラスサビ前「明日があるのは 知ってるけど 今は このまま 踊らせて」の歌い方が特に好き。色気がすさまじい。

この曲はラジオやバースデーLINELIVEで小学生の頃の夏の終わりの思い出の話が根柢にあると話していて、その時の、季節の終わりが一番その季節が色濃く出るから好きだ、という話と合わせて、なんだか祐くんは終わり、というものを考えてしまう子なんだと思ってしまった。この曲が夏の終わりにリリースされたのは本当にエモい。

夏の終わりを歌う曲が好きで、といっても嵐の『夏の終わりに想うこと』とYa-Ya-yahの『ひまわりのメロディ』ぐらいしか心当たりはないのだけれど、前述した2曲は切なげなのにどちらかといえばポップでかわいらしいアイドルソングで、私にとって夏の終わりはそういうイメージだった。

だからこそ、このメロディアスな楽曲が魅せる夏の終わりの夕暮れは、静かだけど力強い。濃いオレンジから紺色に変わりゆく空、そしてマジックアワー。テレビなどでしか見たことがないバリ島の夕日が瞼の裏に浮かぶ。そして、波の音だけが最後に残るのだ。

Summer Breeze

Summer Breeze

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

c/w2曲目『CRUISING』は音源解禁時、イントロからあーーもーーーこれ絶対ジャニオタ好きなやつ!!!!!(クソデカ主語)って言っていた。それもそのはず、この曲の作曲がジャニオタにも馴染みの深い渡辺未来さんでして。『抱いてセニョリータ』の共作曲とか、坂本様の伝説のソロ曲『Shelter』の作曲をなされている方でクレジット解禁された時から絶対当たり曲だこれって思っていた。祐くんのおたくとしては夢色キャストの看板楽曲『CALL HEAVEN』が渡辺さんの作曲なので、そういう意味での繋がりも感じられて胸に来るものがある。

3曲ぐらい候補があってその中からコンペして選んだとラジオで話していて、これを選んだセンス最高に信頼できる。英語に苦手意識があると言っている祐くんは、この曲のレコーディングが今回の3曲の中で1番大変だったと話していたのが印象深いが、めちゃくちゃかっこいいから大変だったとかそういうのわかんないし、とにかくめちゃくちゃかっこいい。

夏の夜にガンガン盛り上がるような雰囲気の曲と事前情報があったが、寸分違わずそんな感じの曲で、これも縦ノリ曲だよなあ、とラジオで聞きながら思っていた。DJのセトリに組み込みたい。この曲は絶対にダンスが付くことでただでさえかっこいいのに、さらにかっこよくなると思う。なんならこの曲を聞いていると、スモークが焚かれていてレーザー光が飛び交うステージが見える。

8月23日の千葉翔也くんのユニジェネでこの曲を大絶賛していて、わかる……ってなっていた。あーーーーーーこの曲で祐くんが踊るところ早く見たいからライブやってほしい。前作の時に出演したライブで披露していたのはSTAND UPとStarterで、ガンガン踊っていたから今作は真夏BEATとCRUISINGであってほしい。Summer Breezeも歌うところももちろん見たいんだけど、多分パフォーマンスが派手になるのはCRUISINGの方な気がするから私はこっちを応援(?)します。
CRUISING

CRUISING

  • 畠中 祐
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

この楽曲群の世界観を少しでも理解するために、普段「夜は寝る!」祐くんが高校時代の友人(生徒会長)とバーへ飲みに行ってショット2杯でつぶれて生徒会長の愚痴を延々と聞いていたとか、そんな感じの微笑ましいエピソードもあるのだが、8月21日のユニジェネで、自分が歌う意味というものを消化しきれず、何故自分が歌うのか、と自問自答し続けてもまだそれは見つけられていない。けど、誰かが歌ってほしいというのならばそれが自分の歌う意味なのかな、と語っていたのがとても印象深くて、このひとはよわくてつよいんだなって思った。

いつでも真摯にいろいろなことを考えている自担くんがいつか思い詰めすぎて潰れてしまうのでないか、と思ってしまって怖くなった日もあった。でも、彼は強い人なのだ。いちファンが思うよりずっと繊細だけど強いひとなのだ。

彼のことを語るとき、いつだって同じ結論に至るのだが、私は彼を飽きるまで応援したい。飽きるまで見ていたいと思った。ずっとなんで無責任な言葉は使えない小心者だが、彼がゆっくりと歩むと決めたその道を飽きるまで見守るつもりだ。

 

彼の24歳の行く道が、彼に優しいものでありますように。夏の終わりに想うことはそんな願いのような祈りのようなもので締めようと思う。

最後ポエっちゃったけど『真夏BEAT』は本当に名盤なので何卒よろしくお願いします!

真夏BEAT (通常盤)

真夏BEAT (通常盤)